子育てと情報
私は二人の子供の親なわけですが、ストレス研究と同時に子育て研究もしてましてね。
よく子供にかける願いとして、想像力の豊かな人間になってほしいという親がいると思います。
しかし正しく想像力を育てられているかといえば、意外とそうでもないかもしれません。
そこで今日は虹を例に使いながら話していきます。
目次
- 子供からの質問
- 想像力を高められる親の行動
- まとめ
1.子供からの質問
ある日の夕方に虹が出ていました。
次の日クラスでは昨日の虹を見た生徒が何人かいたのですが、我が子はタイミング悪く見ることができなかったのです。
そしてさらに我が子は虹を見たことがありません。そして子供が私に聞くわけですよ。
『ねーねー、虹ってなーにー??』
さて、親としてこの質問にどう対応するかが腕の見せ所ですよね。
対応1.『虹かー!えーっとね、ポチッポチッポチッ、、これが虹だよ!綺麗だろー!』と、スマホで綺麗な虹の画像を検索して見せてあげる。
対応2.『虹かー!えーっとね、虹はね、雨が降った後にたまーに見られる空の橋だよ!紙と色鉛筆持っておいで!
この色鉛筆の中から7本好きな色を選んで虹をかいてごらんよ!』
と、親も一緒に書いてみる。
もう何となく分かりますよね?
次の章へまいりましょう。
2.想像力を高められる親の行動
先の章で上げた対応1と対応2。
当然ながら想像力を高められるのは圧倒的に対応2ですよね。
対応2をするときの重要なポイントをいくつかあげましょう。
1.子供には本物の虹が空にかかるまでは答えを見せないこと。
2.なるべくオーバーリアクションで虹ってのはものすごく綺麗で見れると嬉しくなるようなものだという印象を与えること。
3.子供に虹は何色か聞かれても答えを言わないこと。
4.親も一緒に絵を描くことと、その絵は子供の選んだ7色を使うこと。
5.虹はいつ出るのか聞かれたら雨があがるまで待とうと流しておく。
6.子供の描いた虹の絵をしばらく飾っておく。
この6項目でオッケーです。
しばらく虹を気にしている間で子供の心にあるのは健全なストレスです。
それを日本語では『好奇心』と呼んでいます。
見たくて見たくてたまらなくなるんですよ。でもなかなか見られないんですよ虹は。
でも、必ず見られるんですよ虹は。
雨があがっても必ず出るとは限らないという世の中に絶対はないという哲学も大人になったら芽生えることでしょう。
そして忘れかけたころに空に虹が出るわけですよ。
その時に部屋にかざってあった絵が、当時の好奇心を一気に呼び覚まします。
『おーーー!虹だよ!あれが虹だよー!!』
すると子供は自分が思い描いていた想像の虹とは全く違う現実を目の当たりにします。
が!!!子供は目を輝かせるんですよ!
想像よりも、色鉛筆よりも、もっと神秘的で透明な7色にわくわくして、あの橋って本当に渡れるの!?って本気で聞くかもしれませんよね。
『あの橋はね、神様だけが渡れるんだよ。お前がこの間、一生懸命に虹の絵を描いてたの神様見ててくれたから今日は本物の虹を見せてくれたんだよー!よかったなー!』
と、褒めてあげて、親も虹を見て子供のようにテンションあげて笑うんですよ。
本当に渡れるの!?って聞いている時点でもう想像力ハンパないですよね!
そしてその子供は自分の想像した虹も本物の虹もとても好きになって、大人になってもしかしたら虹を見るたびに親と一緒に描いた虹を思い出しているかもしれませんね。
一方、対応1ではどうなるでしょうか。
まずスマホで答えを見せてしまうと、子供の思考はその画像の虹の形や背景までも一緒に記憶して、ねーねー虹っていつ出るのねーねーと不健全なストレスがたまっていきます。
ここでのポイントは、スマホに上げられている虹の画像は極めて綺麗に撮影されていて、さらに画素等々でかなり色も濃くなっています。
まして、その画像を見せているときに広告バナーが出現して、それが仮面ライダーグッズの新商品だったらどうでしょうか。
虹よりも仮面ライダーに意識が傾き、下手したらこれほしいー!なんてダダをこねるかもしれません。
そしていざ本物の虹との初対面!
画像で見た虹よりも色がうすい。。。
なんかボンヤリしている。。。
背景までも画像でインプットされていて無意識に描写に難癖をつける。
そこであれは神様だけが渡れる橋だと言っても子供は何を言ってるのか理解できない。
そして不健全なストレスはさらに落胆というオマケまでつけて、以降虹を見ても感動しなくなるわけです。
どちらを選ぶかは親次第ですし、まるで正解不正解のような文面ですが、想像力を豊かにしたいという目的があるのならまさに対応1は親としての大失敗です。
子供の素直さと好奇心は無限の可能性なのですよ。
3.まとめ
今回の記事、ストレスとの関係性が薄いように見えますが、かなり密接に関係しています。
まず、対応1と対応2で顕著に現れるものは、『待つこと』に差がでるということです。
すぐに答えが出せると待つことが不健全なストレスになります。
食べログで星5、口コミ全員が上手いと称賛する行列のできるラーメン屋で1時間待つのと、データが全くない行列のできるラーメン屋で待つのだと、後者の方が圧倒的にストレスが少ないというデータがあります。
さらに、実際に食べてみて両方ともあまり美味しく感じなかったとしましょう。それも同様に、星5のラーメン屋には
『なんだよ、裏切られたわー!星5とかいって全然じゃん!』
とマイナスな言葉ばかりが口から放たれますが、データがないと裏切られたとは思いませんし、まぁこんなもんか!とさっぱり諦めがつくもんですよね。
子供の虹の例も同じなんです。
情報は確かに答えではありますが、書き手と読み手では解釈も違うので当然、自身の真実とはかけ離れたものになり、そのギャップで裏切られた感のようなストレスが生じてくるのです。
会社で文句や愚痴や悪口ばっかり言ってる人がいますよね?
その人のこと馬鹿な奴だと言いますよね?
そうなんですよ。そいつは馬鹿なんです。
つまり情報を間違えて利用し勝手にストレスをためてガタガタ文句言っている人間は同じく馬鹿なんですね。
情報収集し勉強をするということは、想像力という分野において、その才能の芽を摘んでしまう、つまり馬鹿になるための行動だということを知っておきましょう。
さて、今回の私からの情報で馬鹿にならないようにと願いながら今日はおしまい。
ありがとうございました。